富裕層が男の子を買うシステムを創った理由③
精神科医の仕事を始め、もうひとつ、精神の具合が悪くなる人たちの理由を見つけた。時代のトレンドに合わない働き方をしていることである。
時給1300円で10時間働くと日給13000円、それを週5日、月に20日働くと月給26万円手取り20万円という「典型的な資本主義の搾取構造の効いた」働き方を、大多数の人が「それが普通と思い込み」自分の価値をまるっきり無視した仕事をやっている。
資本主義をちょっと勉強した人なら知っていることだが、この時給1300円月給30万円という数字は最低賃金である。働く者の能力やスキル、性質などは金額(額面)に全く反映されない、誰がやろうが、熱心にやろうがサボろうが、全く関係なしの数字なのだ。
「労働者がなんとか生活し、子供を育て、自分を教育するに足る」金額と規定されている。
そんな働き方をしていれば具合が悪くなるのは当然である。しかし、彼らがそんな働き方をすぐ変更できない理由は、他の働き方があることを知らないし、あってもどのようにシフトしたら良いか、具体的な方法がわからないからである。
東京の娼年システムは、そういう彼らに、個人の能力やスキルや性質が金額(額面)に反映された、具体的な働き方を提示するために創ったという側面がある。