娼年デビューへの道⑧

この春も、大物が続々デビューした。引退した山口君の秘蔵っ子、デブフクこと福ちゃんだ。彼は山口君が2年半かけて育ててきた山口君の後継者である。既に自分で事業を興し、その事業を拡大するため、材料工学を学ぶ目的でこの春大学生となった高校球児である。

福ちゃんは既に資本主義を大方理解している。何故なら、2年半前から兄貴(山口君やマサヒロ君)たちと山口君が経営する寮で一緒に生活し、彼らが勉強しているのを見てきたからだ。

この春デビューしたのは福ちゃんだけではない。現エース奥村君の後輩ハル君もデビューを果たしている。こっちはラグビー部だ。(奥村君は去年だけでも3人の先輩後輩をデビューさせている。)

福ちゃんもハル君も面接なしで合格した。緊急事態宣言中ということもあって現在面接をストップしている。面接無しで、彼らが何故合格したか。それはぶっちぎりの実績である。今や高校生だからといって軽視できない時代になった証拠である。

福ちゃんは高校時代から特技「犬の爪切り」を生かした事業を始め、高校在学中から月50万円以上自力で稼いでいた。一方、ハル君も高校時代から、奥村君のヒット事業「男のパパ活」で、抜群の動画制作能力を披露、それをサービス化し(つまり奥村君らラグビー部の先輩のゴーストライターならぬゴースト作成者)、大学入学前に超富裕層を獲得した。彼らは、さまざま制約のある高校生ながら「今できること」に全力集中した結果、実績を作ることに成功したのである。

残念ながら福ちゃんもハル君も、もう客がついてしまっており、他の客は手を出せない。順番待ち状態である。ちなみにハル君の動画は有料で買えるが安くない。

彼らから学ぶべきは「特技」を磨きに磨き、それを自分の価値に上手くつなげていることである。それができたのは資本主義の勉強をちゃんとしているからである。