東京の娼年システムを創った理由②

古い慣習や考え方に支配され、かつ、典型的な資本主義の搾取構造の効いている労働をすることで、令和の大多数の人々の精神が不調になっている。

しかし前回書いたように、要は個人の受け取り方、感じ方、考え方の問題である。同じ状況でも精神状態がすこぶる良好な人はいくらでもいる。

なんでも楽天的に考え、いろいろ困難が起ころうとも必ず自分で対処できると信じている人もいれば、なんでも悲観的に考え、未来に降りかかるであろう災難を次から次へと想定し、モンスターと化した不安に振り回され嘆き続けるしかない人もいる。この差は何なのか。世界中の脳科学に携わる研究者が躍起になって研究しているテーマである。

ひとつわかっていることは、子供の成長発達の時期に応じた適切な教育を受けたか否か。

これは人の脳みその成長発達を左右するカギである。

これらのことから、精神科医である私は、特に日本人は模範を提示されないと行動できない人種であるから、考え方にしろ働き方にしろ、模範となるような人物を育て輩出するしかない、という考えに至ったのである。

この考え方は実は私が初めてではない。小林りんという勇敢な女性の記事を読んだことがあり、彼女も「結局は教育」ということに気づいた数少ない切れ者のひとりである。蛇足だが、私の父はこういう記事をネットで見つけると、頼まれもしないのに関係者に一斉送信するという共有型の脳みそをしている。そのおかげでネットニュースを見ない私もだいぶ助かっている。