東京の娼年の働き方①

時給1300円で1日10時間働くと日給13000円になる。

この労働は、誰がやっても、どのようにやっても、必死にやろうが、だらだらやろうが、日給13000円である。

ここに疑問を感じるか否か。

「誰がやっても」日給13000円というのはおかしいんじゃないかと、ちゃんと疑問を感じることのできる男の子が、「東京の娼年」の合格者である。

特に日本一のタイトルを何度も獲得してきた男の子にとって、

「誰がやっても」同じ給料というのは耐えがたい屈辱である。何故なら、彼らは、大多数の人ができないレヴェルの練習を毎日必ず続け、参加選手何百人の中で1番を獲得するという「大多数が敗れ、たったひとりだけが獲得できる称号」をもぎ取ってきた男の子たちである。

「皆と同じ」とか「誰がやっても同じ」という状況に耐えられるはずがないのだ。それが健全な考え方というものである。

「それが健全、当たり前と考える人」が彼らの顧客になる。

日本一の称号を得ている男の子にはその価値に見合う報酬を払うのが当たり前と考える人が、彼らの顧客になるのである。

そういう男の子が1時間働いた報酬に20万円、30万円と、彼らの価値を正当に評価した報酬をちゃんと支払う人だけが、彼らの顧客になるのである。

時給1300円で1日10時間働くと日給13000円になる。この働き方こそが資本主義における典型的な「搾取される労働者」の働き方であることを、東京の娼年の男の子たちに教えてくれる人が、東京の娼年の顧客となりうる。彼らは資本主義のルールをよく理解している。理解していなければ富裕層にはなれないのだ。