高須先生の言葉に鼓舞され始めた怪しげなビジネス

私の唯一の座右の銘

怪しげだけど光るものが次の覇者

という高須クリニック創始者高須克弥先生の言葉である。初めて聞いた時、脳に矢が刺さった衝撃を受けた。

なんてエキセントリックな表現だろう。その人の口から出てくる言葉やフレーズがその人を語っているんだ。つくづく思ったものだ。

美容外科という分野は「成り損ないの医者」のやるもので「まともな医者がやるものではない」とされていた時代があった。医者扱いされなかったと高須先生は述懐している。

私が今取り組んでいる「体育会男子を富裕層にデリバリーするサービス」だって、じゅうぶん「怪しげ」でしょう。当時の美容外科に負けてないと思う。だって、私を知らない人たちから「医者のくせに何してんだ」とか「不謹慎不道徳極まりない。医者やめろ」などと言われるから。

言われるたびに、私は

ああ、私も高須先生に近づいているんだ。

と、だんだん思うようになった。不思議なものでこれに打ち込めば打ち込むほど、誹謗中傷など耳に入らなくなった。高須先生の言葉ほど脳に刺さらないのさ。

精神科という医学領域を選んだ理由も、私の場合、多くの精神科医と違う。何故なら、私が最終的に成りたい自分は表現者だからだ。映画監督という職業を利用しての表現者に私は成りたいと思った。だから精神科医になったのだ。